手首や足首は、日常生活で頻繁に使う関節であり、複雑な構造と繊細な操作で求められる部位です。
ここでは、手首と足首の構造やよく見られる症状、原因、ケア方法について詳しく見る
手首・足首の解剖構造
手首の解剖構造
手首(手関節)は、8つの小さな骨(手根骨)と、前腕の骨である橈骨と尺骨の2本長い骨で構成されています。これらがしなやかで安定した手首の動きを可能にしています。
- 手根骨: 手首の骨は舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨の8つに分けて、前腕骨と連結することで屈曲や伸展、回内、回外などの動作が可能になります。
- 靭帯と腱: 手首には多くの靭帯と腱があり、これらが骨同士をつなぎ、安定した動作を踏まえての丁寧な操作も可能にしています。
- 手根管: 手首の中央部分にある手根管(手根トンネル)には、正中神経と9本の腱が通っており、この部分が圧迫されると手根管症候群の原因となります。
足首の解剖構造
足首(足関節)は、体重を支える重要な役割を担っていて、3つの骨といくつかの靭帯、筋肉で構成されています。これにより、歩行や方向転換、ジャンプといった様々な動きが可能ですにしています。
- 骨:足首は、脛骨(けいこつ)、腓骨(ひこつ)、そして距骨(きょこつ)という骨で構成されています。 距骨は脛骨と腓骨の間に挟まれ、体重を支えつつ、左右前後の柔軟な動きが可能になります。
- 靭帯: 足首は内側・外側に靭帯があり、特に外側靭帯は捻挫時に損傷しやすい部位です。内側には、強力な三角靭帯があり、安定性を役割を担っています。
- 腱: 足首の周囲には、筋肉から伸びる腱が多くあり、足首の動きを支えています。 代表的なものとしてアキレス腱があり、特に足の屈曲に重要です。
- 足底筋膜: 足の裏には足底筋膜があり、足全体のアーチを支える働きがあり、足のクッション性や安定性を助けています。
手首・足首での多い疾患
手首でよく見られる疾患
手根管症候群
- 概要: 手根管内で正中神経が圧迫されることで起こる疾患。 特に長時間のキーボード操作や手作業など、手首に負担がかかる動作を初期化することで発症しやすくなります。
- 症状:手や指のしびれ、痛み、握力の低下、特に親指から薬指までの感覚が鈍くなりやすい。
- 治療:安静、装具療法、リハビリテーション、症状の場合は手術も検討されます。
腱鞘炎
- 概要: 手首の腱や腱鞘が炎症を起こす疾患で、ド・ケルバン病(狭狭性腱鞘炎)などが代表的です。
繰り返し動作や負荷が原因になることが多く、育児や家事などで手を使う頻度が高い方にも発症しやすいです。 - 症状:手首の痛み、腫れ、動くにくさ。親指を動かすと痛みが強くなるのが特徴。
- 治療:安静、湿布や消炎剤、サポーター、着用、リハビリやストレッチが推奨される。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
- 概要: 手首の小指側にある三角線維軟骨複合体(TFCC)が損傷を受ける状態。スポーツや重いものを持つ作業が原因となりやすいです。
- 症状:小指側の手首の痛み、手を入れたり捻ったりしたときの不安定感。
- 治療:サポーター装着、安静、場合によっては手術も検討される。
足首でよく見られる疾患
足関節捻挫
- 概要: 外部の衝撃や足を捻挫したときに足首の靭帯が損傷を受ける疾患。
スポーツや日常生活で不快な動作でよくあります。 - 症状:痛み、腫れ、内出血、足首を動かしたときの違和感や不安定感。
- 治療:RICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)を基本とし、症状の場合はリハビリや手術が必要な場合もあります。
アキレス腱炎
- 概要: アキレス腱に炎症が起こる疾患で、ランニングやジャンプなどの動作が頻繁にある場合に発症しやすくなります。
- 症状:かかとの上あたりの痛みや腫れ、足を踏み込むときの違和感。
- 治療: 安静、アイシング、ストレッチ、リハビリテーション。場合によっては手術が検討されます。
足底筋膜炎
- 概要: 足の裏にある足底筋膜に起こる炎症疾患で、足に負担がかかる立ち仕事やランニングなどの原因になることが多いです。
- 症状:かかとの痛み、足裏全体の張り感。 特に朝の一歩目に強い痛みを感じることが多い。
- 治療:安静、ストレッチ、足底板(インソール)使用、場合によっては理学療法。
変形性足関節症
- 概要: 関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触することで痛みや変形が生じる疾患。加齢や過去の怪我が原因で起こることが多い。
- 症状:関節の痛みや腫れ、動かしたときのゴリゴリした音、関節の可動域の制限。
- 治療:運動療法、装具の使用、痛みがひどい場合は手術が行われます。
手首・足首の症状と原因
手首の症状と原因
よく見られる症状:
- 痛みや腫れ:特に動かすと痛む場合、腱や靭帯の炎症や骨の異常が考えられます。
- しびれ:手のひらや指先にかけてしびれがある場合、手根管症候群など神経の圧迫が関係することが多いです。
- 可動域の制限:曲げ伸ばしに違和感が出たり、動かせる範囲が狭まることがあります。
- 握力の低下:痛みや神経の障害で握る力が弱くなることもあります。
原因:
- 長時間の手作業:パソコン作業やスマホ操作など手を酷使することで手首に負担がかかりやすくなります。
- 過度のスポーツ活動:特にラケットスポーツや野球などでは、手首に強い負担がかかるために痛みが出やすくなります。
- 老化や変形:加齢により軟骨がすり減ったり、変形性の痛みが生じることもあります。
足首の症状と原因
よく見られる症状:
- 痛みと腫れ:特に足をひねった後などに急激な痛みが出る場合、筋損傷や靭帯損傷が疑われます。
- 足首の不安定感:関節が緩んだような感覚がある場合、靭帯の損傷や関節のゆるみが原因かもしれません。
- 歩行のしづらさ:痛みや違和感で歩行が困難になることがあります。
- 硬直や可動域の低下:関節の硬さや可動域が狭まると、足首の柔軟性が低下してバランスが取りにくくなることがあります。
原因:
- 捻挫や負荷のかかる動き:急な方向転換や不安定な足場での活動は、足首の筋肉や靭帯への負担が増える要因となります。
- 加齢による筋力低下:加齢に伴う筋力の低下や関節の硬直が足首の不安定感を引き起こすことがあります。
- 姿勢や歩き方の問題:重心が偏った歩き方や姿勢の悪さが足首の負担となり、痛みの原因となることがあります。
手首・足首の不調が身体に与える影響
手首の不調が身体に与える影響
- 肩こり・首の痛み
- 手首の不調があると、無意識のうちに肩や首に力が入るため、肩こりや首の痛みが生じることがあります。
- 特にデスクワークや手を使って多用する作業では、手首を守るために肩や首に余計な負担がかかります。
- 腕の疲労・痛み
- 手首の動きが制限されると、腕全体に無理な力が入るため、腕や肘の疲労や痛みが生じる場合があります。
- 手根管症候群などの神経系のトラブルが起こると、指先までしびれが広がり、かなりな動作に影響が出ることもあります。
- 日常生活の制限
- 手首の痛みや可動域の制限によって、物を持つ、書く、家事をするなどの動作がストレスになり、生活の質が低下することがあります。
足首の不調が身体に与える影響
- 膝や股関節の痛み
- 足首が不安定だと、膝や股関節に負担がかかり、痛みや炎症が起きやすくなります。
- 万が一続くと、膝や股関節に軟骨の摩耗が生じ、変形性関節症の危険性もあります。
- 姿勢や歩行の乱れ
- 足首の不調があると重心が偏り、姿勢や歩行が不安定になります。
これにより、腰痛や骨盤の歪みが生じることがあります。 - 特に捻挫後の不安定感が続くと、歩行のリズムが崩れ、全身のバランスが悪化します。
- 足首の不調があると重心が偏り、姿勢や歩行が不安定になります。
- 足の筋肉やアキレス腱の過負荷
- 足首の可動域が制限されると、ふくらはぎやアキレス腱の筋肉に負担がかかりやすくなり、
筋肉痛や筋緊張が強くなります。 - 筋肉の緊張が続くと、血流の悪化をかえし、むくみや冷えなどの症状が悪化することもあります。
- 足首の可動域が制限されると、ふくらはぎやアキレス腱の筋肉に負担がかかりやすくなり、
全身への影響
- バランス感覚の低下:足首の不調が原因でバランスを崩しやすくなり、転倒の危険が高まります。
- 体幹の安定性の低下:手首や足首の不調から、体幹が安定しにくくなり、スポーツや日常動作でのパフォーマンスが低下します。
- 疲労感の増大:不調が続くことで、姿勢の崩れや全身のエネルギー消費が増加し、疲労が高まりやすくなります。
手首・足首のケアと予防法
手首や足首の健康を守るためのケア予防や法は、筋力強化やストレッチ、日常動作の工夫が中心です。以下に、具体的な方法を解説します。
手首のケアと予防法
- ストレッチ
- 手首の前後ストレッチ:手のひらを下に向けて、反対の手で指先をつかみ、ゆっくり手のひら側にこだわってストレッチします。
- 円を描くような回転運動:時計回りや反時計回りに手首をゆっくりと回します。これにより、関節の可動域が広がり、柔軟性が向上します。
- 筋力トレーニング
- グリップエクササイズ:ソフトボールやグリップエクササイザーを用いて筋力を強化します。
手首の安定性を高めます。痛みなどある場合は負荷に配慮します。 - リストカール: 軽いダンベルやペットボトルを持ち、手のひらの上に向けた状態で手首を曲げます。
- グリップエクササイズ:ソフトボールやグリップエクササイザーを用いて筋力を強化します。
- サポーターやテーピング
- 手首を酷使する作業や運動時には、サポーターやテーピングで手首を保護するのも有効です。
関節の動きをし、怪我のリスクを軽減します。
- 手首を酷使する作業や運動時には、サポーターやテーピングで手首を保護するのも有効です。
- 休息と冷却
- パソコンやスマートフォンの長時間使用の際は、定期的に休息をとり、痛みや熱感がある場合は冷却シートなどでケアします。アイシングも効果的です。
足首のケアと予防法
- ストレッチ
- 足首の前後ストレッチ:座った状態で、足首を上下に動かし、アキレス腱やふくらはぎをストレッチします。動作をゆっくりと、深く長くすることで柔軟性が増します。
- 足首回し:座った状態で足首をゆっくり回す運動を行います。時計回りと反時計回りをそれぞれ行い、関節の可動域を広げます。
- 筋力トレーニング
- 軽く立ちエクササイズ:かかとを上げ下げる運動は、足首周りの筋肉を強化します。
ふくらはぎやアキレス腱を鍛え、安定性を向上させます。 - バランス練習:片足立ちをすることで、足首の筋力とバランス感覚が向上し、捻挫などの防止につながります。
- 軽く立ちエクササイズ:かかとを上げ下げる運動は、足首周りの筋肉を強化します。
- 正しい靴の選択
- 足に合った靴を選ぶことは、足首の健康に直結します。かかとのサポートがしっかりしていてクッション性のある靴を選び、日常生活の安定性を考えます。
- サポートアイテムの活用
- スポーツやハイキングなどで足首に負担がかかるときは、サポーターやテーピングを使用し、足首を守りましょう。
共通のセルフケアポイント
- 温めて血行促進
- 入浴時や就寝前に手首・足首を温めると血流が促進され、筋肉が柔らかくなり痛みが軽減されやすくなります。
- 日常の姿勢改善
- 日常生活での姿勢にも注意し、体重が偏らないようにします。例えば、立ち方や歩き方を意識して、左右の足に均等に体重がかかるようにすると、足首への負担が減りますます。
- 負担軽減とバランスの意識
- 日常的に無理な負荷をかけず、仕事や運動後に行うことが予防につながります。また、片足立ちのバランストレーニングなどで体幹を強化し、手首・足首への負担を軽減させます。
当院での手首・足首の施術
手首・足首の不調に対して、痛みの軽減や根本的な改善を目指した施術を提供しています。 手首や足首は日常生活で酷使されがちな部位であり、不調が全身のバランスや動作に配慮するため、丁寧なケアが必要です。
1.関節調整とアライメントケア
- 手首・足首の正しい位置(アライメント)を整えることで、関節の可動域を広げ、不自然な姿勢や動作から来る痛みを改善します。軽度の調整により、関節の位置を正しい状態に戻し、無理な負担を承ります。
2.ラジオ波療法
- とりあえず、血行促進と筋肉の緊張緩和に効果的なラジオ波を活用しています。ラジオ波の温熱効果で手首・足首の血流を促進し、筋肉や靭帯の柔軟性を向上させ、慢性化させます。ような痛みやコリを緩和します。冷えやむくみがある場合にも効果的です。
3.筋肉リリースとモビリティ
- 手首や足首周りの硬くなった筋肉や腱を解放し、緊張をほぐします。モビリゼーション技術で柔軟性と可動域を高め、筋肉や腱のこわばりからくる痛みや不調を軽減します。
4.ストレッチ指導とセルフケアアドバイス
- 継続的な改善を目指し、手首や足首に適したセルフストレッチや筋力トレーニングのアドバイスを提供します。 特に、ストレッチや日常生活での姿勢改善など、セルフケアを取り入れて再発予防をサポートします。
手首や足首は小さな動きの積み重ねで多くの負担がかかる部位です。早めのケアと日常ケアが大切ですので、気になる症状がある方はぜひじっくりご相談ください。