仕事中や通勤中のケガや病気は「労働災害(労災)」として認定されることがあります。
今回は、労災の基礎知識や対象となるケース、引き続きでの対応について解説します。
労災とは?
労働災害(労働災害)とは、業務中や通勤中に発生したケガや病気のことを考慮します。
労働者災害補償保険法に基づき、労働者が安心して働けるよう、国が補償を行う制度です。

労災の対象となるケース
労災には大きく分けて「業務災害」と「通勤災害」があります。
- 業務災害:仕事中に発生したケガや病気(例:作業中の転倒、荷物の運搬でのぎっくり腰、長時間労働による体調不良など)
- 通勤災害:通勤中に発生した事故や恐怖(例:通勤途中の交通事故、駅の階段での転倒など)
損害保険の補償内容
労災が認められると、以下のような補償を受けることができます。
- 療養補償給付(治療費の負担なしで医療を受けられる)
- 休業補償給付(休業中の収入補償)
- 障害補償給付(後遺症が残った場合の補償)
- 遺族補償給付(労災による死亡時遺族への補償)
労災の対象となるケース
労災(労働災害)は、業務中や通勤中に発生したケガや病気が対象になります。
具体的には、以下のようなケースが労災として認められる可能性があります。
1.業務災害(仕事中に発生した災害)
業務に発生して発生したケガや病気が対象となります。
(1)事故や作業中のケガ
- 会社の階段で転倒して骨折した
- 工場での作業中に機械に挟まれた
- 重い荷物を持ち上げた際にぎっくり腰になった
- 高所作業中に転落した
(2)長時間労働やストレスによる疾患
- 過労による脳梗塞や心筋梗塞
- 精神的ストレスによるうつ病や適応障害
- 熱中症(夏の屋外作業などで発症)
(3)職業病(無意識の業務による健康障害)
- パソコン作業による腱鞘炎や頸椎症
- 振動ツールの使用による手腕障害(振動病)
- 化学物質の取り扱いによる中毒
2. 通勤災害(通勤中の災害)
通勤途中に発生したケガや事故も労災の対象となります。
(1)交通事故
- 通勤途中に車や自転車で交通事故に遭った
- バスや電車の乗降転倒時にケガをした
(2)駅や道路での転倒・転落
- 通勤中の駅の階段で転倒して足を捻挫した
- 歩道の段差につまずいて転んで骨折した
(3)合理的な経路・方法での通勤中の災害
- 自宅から会社までの通勤途中で発生した事故
- 会社から取引先への直行・直帰時の事故
※尚、通勤途中で私的な寄り道をしている場合は労災の対象外となる場合があるため注意が必要です。
労災に該当するか不明な場合は?
「これは労災に当たるのか?」と考える場合は、会社の労務担当や労働基準監督署に相談することをおすすめします。
仕事中や通勤中のケガ・痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
労災申請の流れ
労災(労働災害)で治療を受ける場合、労災保険の申請を行うことで、治療費の自己負担なく必要な施術を受けることができます。ここでは、労災申請の基本的な流れを解説します。
① 会社へ報告する
労災が発生したら、勤務先(会社)に報告しましょう。
会社は、労働基準監督署への報告義務があるため、とにかく早く伝えることが大切です。
②労災指定医療機関を受診する
労災保険が適用される医療機関(労災指定病院や接骨院)で受診します。
必要書類:
治療を受ける際は、会社から発行される「療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」
を提出します。
これにより、自己負担なしで治療を受けることができます。
③労災保険給付の申請
治療を受けた後、必要な手続きを行います。
会社が労働災害を認めた場合は、会社が労働基準監督署に申請書を提出します。
主な申請書類:
- 療養補償給付請求書(様式第5号) … 治療費の補償申請
- 休業補償給付請求書(様式第8号) … 休業補償(労災で休業する場合)
- 障害補償給付請求書(様式第10号) … 後遺障害が残った場合
※申請の際には、医療機関や接骨院が記入する欄もあるため、必要書類を持参することが重要です。
④労働基準監督署の審査・決定
提出された申請書をもとに、労働基準監督署が労働災害認定の審査を行います。
認定されると、労災保険から治療費や休業補償などが支給されます。
⑤施術を受けながら必要に応じて追加申請
治療を続ける場合は、継続的に労災保険を利用できるように追加申請を行います。
また、治療後に後遺症が残る場合は、障害補償給付の申請が可能です。
労災申請のポイント
- まず会社に報告し、必要な書類を準備する
- 労災指定医療機関(病院・接骨院)で挑戦する
- 申請書は会社労働基準監督署へ提出
- 認定後、労災保険の給付が開始される
仕事中や通勤中のケガでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
労災治療を受ける際の注意点
労災保険を利用して治療を受ける際には、スムーズに手続きを進めるためにいくつかの
重要なポイントを押さえておく必要があります。
①労災として認められるか確認する
労災治療を受けるには、労働中または通勤中のケガや病気であることが前提となります。
なお、次のような場合は労災として認められない可能性があるため注意が必要です。
✅労災として認められにくいケース
- 業務に直接関係のない私的な行動中のケガ
- 通勤途中の寄り道が原因での事故
労災に該当するか判断が難しい場合は、会社や労働基準監督署に相談しましょう。
②会社に必ず報告する
労災申請には会社の協力が必要です。
治療を受ける前に、必ず会社に報告し、必要な書類を用意してもらいましょう。
万が一、会社が労災申請に非協力的な場合でも、労働基準監督署に直接相談することで対応可能なケースもあります。
③労災指定医療機関を受診する
労災治療は、労災指定医療機関で行うことで自己負担なしで対応できます。
指定外の医療機関でも治療を受けることは可能ですが、その場合は一時的に自己負担し、その後請求する手続きが必要になります。
当院でも労災治療に対応しています。
接骨院での治療を希望される場合は、事前に労災申請の書類を準備してご来院ください。
④申請書類を正確に記入・提出する
労働災害治療を受ける際には、適切な申請書類を提出する必要があります。
✅主な申請書類
- 療養補償給付請求書(様式第5号)(業務中のケガ)
- 通勤災害療養給付金請求書(様式第16号の3)(通勤中のケガ)
※申請書類は会社の記入・押印が必要なため、必ず会社に依頼しましょう。
⑤治療を受ける際の自己負担について
労災治療の場合、原則として窓口負担はありませんが、以下の場合では自己負担が発生する可能性があります。
✅自己負担が発生する場合
- 労災申請をせずに健康保険を使用した場合(※本来、労災治療に健康保険は適用不可)
- 労災として認定されなかった場合
- 治療とは関係のない自由診療やオプション施術を受けた場合
治療費のトラブルを防ぐためにも、労災適用の確認を事前に行うことが大切です。
⑥休業補償の申請を忘れずに行う
労災で仕事を休む場合、休業補償給付(休業4日目以降の補償)を受けることができます。
申請には「休業補償給付請求書(様式第8号)」が必要です。
休業中の収入が不安な方は、会社と労働基準監督署に相談しながら、とりあえず手続きを進めましょう。
まとめ:労災治療の注意点
- 労災として認められるか確認する(業務中・通勤中のケガであること)
- 会社に報告し、必要書類を準備する
- 労災指定医療機関で治療を受ける
- 適切な申請書類を記入・提出する
- 健康保険は使えないため、労災適用の確認を行う
- 休業補償の申請も忘れずに行う
労働災害に関するご質問や検討についてお困りの方は、お気軽にどうぞまでご相談ください。
当院での労働災害治療について
仕事中や通勤中に問題がある方は、適切な治療を受けながら、スムーズに回復を目指しましょう。
当院で対応できる労災治療
✅業務中ケガ(業務災害)
・重い荷物を持ち上げた際の腰痛
・作業中の転倒による打撲や捻挫
・繰り返しの動作による肩や腕の痛み
✅通勤中のケガ(通勤災害)
・自転車や徒歩での転倒によるケガ
・交通事故によるむち打ち(※自責との関係を確認)
※や脱臼の治療には医師の骨折の同意が必要です。
当院の労災治療の流れ
① 会社への報告
労災治療を受けるためには、会社へ報告し、必要な書類を準備してもらうことが大切です。
②申請書類準備
治療を受ける際には、以下の書類を提出してください。
・療養補償給付請求書(様式第5号)(業務災害)
・通勤災害療養給付請求書(様式第16号の) 3)(通勤災害)
※書類は労働基準監督署または会社から入手できます。
③当院での診察・治療
患者様の症状に合わせて、骨格矯正・マッサージ・ストレッチ・電気療法・ラジオ波施術を組み合わせた施術を行います。
④継続的なケアケガ
の再発防止や、仕事復帰後も負担がかからず、姿勢改善やセルフケア指導も行います。
労働災害治療を受ける際の注意点
⚠健康保険は使えません(労働災害治療は労働災害保険適用のため)
⚠労働災害認定の可否は労働基準監督署が判断します
⚠会社が手続きを拒否する場合は、労働基準監督署に相談可能
労働災害治療に関するご相談は当院へ
労災の手続きが分からない、会社との事が不安、早く痛みを改善したい…そんな方は、まずはお気軽にどうぞご相談ください。しっかりとサポートしながら、早期回復を目指します